近年若年化が進む「子宮頸がん」
子宮頸がんは女性の妊娠・出産に重大な影響を与える病気であることから、厚生労働省が予防ワクチンを接種することを推奨しています。
一方で予防ワクチンを接種することにより重大な副作用を発症する例も見られたことから、現在では十分に注意して接種するようにと言われるようになりました。
子宮頸がんの予防ワクチンについては、その効果や副作用について完全に研究で解明されているわけではなく、現在もさまざまな議論を呼んでいます。
しかしワクチン接種が予防対策として有効であるということもまた100%ではないにしろ確実なことですので、早期に対策をとるための手段として推奨されています。
そもそもなぜ子宮頸がんワクチンの接種が社会的に必要であるような話が出始めたかというと、それは子宮頸がんは早期発見と早期治療が最大の対策であるからです。
女性のみが持つ器官である子宮ですが、その部分にできるガンは「子宮体がん」と「子宮頸がん」の二種類があります。
「子宮頸がん」の特徴は子宮の入り口にあたる子宮頸部にできるということで、20~30代の女性の罹患率が高くなっています。
病気の原因となるのは「ヒトパピローマウイルス(HPV)」というウイルスであり、性交渉など外部からの侵入によって感染が起こるのです。
日本国内での調査によると10代後半~20代までの女性のうち、約3割がこのウイルスを保有しているという研究も公表されており、かなり高確率で潜在患者がいるということになります。
通常は2年くらいで自然にウイルスは消滅
子宮頸がんの原因となるHPVは、体内に入ったからといって必ず発症をするというわけではありません。
通常はウイルスが体内に入り込んでも体内の免疫力により、約2年ほどで消滅をします。
しかしHPVの中には体内の免疫力だけでは十分に消滅させることができない強力なタイプもおり、そうしたハイリスク型ウイルスに感染してしまうことにより子宮頸がんを発症する率が高まります。
その他にも外的要因である喫煙や避妊ピルの長期間にわたる使用といったものがHPVの勢いを強めてしまうということも可能性として研究されており、子宮頸がん対策は多方面から考えていく必要があるでしょう。
今すぐに妊娠をしたいと考えている女性でなくとも、10代後半~20代初めくらいから定期的に婦人病の健診を受けることが勧められます。
子宮頸がんは仮に発症をしても自覚症状はほとんどなく、自分でおかしいと感じられるくらいのときにはかなり進行しているという特徴があります。
もし月経時以外に不正出血が頻繁に起こっていたり、月経の量が増えたり長期化するようなことがある場合には罹患の可能性がありますので、早めに婦人科を受診しましょう。